投の二枚看板に白星なし 日本一逃したオリの誤算

日本一を決め、歓喜の輪をつくるヤクルトナインをベンチで見つめるオリックスナイン=11月27日、ほっともっとフィールド神戸(宮沢宗士郎撮影)
日本一を決め、歓喜の輪をつくるヤクルトナインをベンチで見つめるオリックスナイン=11月27日、ほっともっとフィールド神戸(宮沢宗士郎撮影)

プロ野球の今季のSMBC日本シリーズは27日夜にほっともっとフィールド神戸で行われた第6戦で、ヤクルト(セ・リーグ優勝)が5時間にわたる熱闘の末、2―1でオリックス(パ・リーグ優勝)に競り勝って対戦成績を4勝2敗とし、20年ぶり6度目の日本一に輝いた。オリックスは6試合全てが2点差以内という紙一重の戦いで打線のつながりを欠いたことが最後まで響き、25年ぶりの日本一に届かなかった。

援護なく熱投報われず

オリックスが勝利を収めた第1、5戦の勝ち投手はそれぞれリリーフの比嘉、山岡。今季18勝の山本、13勝を挙げた宮城の先発二枚看板は好投しながらも援護がなく、白星がつかなかったのは中嶋監督にとって大誤算だっただろう。

相手に胴上げを許した第6戦はエース山本が9回1失点。八回で126球を投げて降板かと思われたが、志願の続投だった。得点は五回の1点だけの打線を141球の熱投で鼓舞したが、火はつかなかった。八回1死一、二塁で杉本は空振り三振、T-岡田は一ゴロ。九回2死一、二塁のサヨナラ機では福田は中飛だった。

3、4番コンビ分断

「平常心」を掛け声に臨んだ大舞台だが、シリーズ初出場の選手がほとんどという経験のなさが出た。4番の杉本は第3戦に一発は出たが、入りすぎた力がなかなか抜けなかった。右手首骨折から驚異の回復力でポストシーズンから復帰した3番の吉田正は明らかに本調子ではなかった。レギュラーシーズンは455打席でわずか26三振だった2年連続首位打者は、シリーズでは28打席で6個もの三振を喫した。

何よりも3、4番を分断されたのが痛かった。2人が同じイニングで出塁したのは、杉本への申告敬遠を含めて4度だけ。杉本の2ランを含め、うち3度で吉田正は生還しており、相手バッテリーが徹底マークしたのもうなずける。

味方の援護が期待できない中、投手は慎重になり、球数が増える悪循環。継投がはまらない場面も多かった。中嶋監督は「負けてしまったのは監督の責任」とした上で「シリーズに関しては気負いなのか、緊張なのか、思ったより動けなかったのかなというのはあった」と打ち明けた。

あの歴史を再び

「育てながら勝つ」という中嶋監督の方針で今季急成長した宗は25歳、紅林は19歳、宮城は20歳。エースの山本は23歳、主砲の吉田正でさえ28歳だ。ヤクルトに王手をかけられて戦った第5戦を競り勝つなど、最後まで諦めない姿勢は確かに根付いている。

ヤクルトとの日本シリーズは1995年も敗れた。その悔しさをバネに翌年、リーグ連覇を果たし、シリーズで巨人を倒した。歴史を繰り返すことができるか。中嶋監督は「まだまだレベルアップできるチーム。やらなければならないことはいっぱいある」と強調した。 (鮫島敬三)

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