日曜に書く

論説委員・木村さやか 「オトナ思春期」は成長期

頼れる「プロ友」

母親が入居した施設では、他府県で暮らす家族は、地元入り後2週間を経なければ面会不可だった。〝足止め〟を余儀なくされる中、「せめて交通費を稼ごう」と岡山でできる仕事を始めたが、軌道に乗り始めたころ、東京での仕事は「全面リモート可能」になっていたという。現在は東京都内の自宅と、親が所有する実家近くの古いアパートで暮らしている。

更年期に介護が重なる中、「後に続く人の役に立てば」と一般社団法人を設立して始めたのが、身体や環境が変化する40~50代の時期を「オトナ思春期」と銘打ち、支えとなる各分野の専門家「プロ友」と交流したりする活動「オトハル」だ。8年目を迎え、参加した人は千人以上。コア的に活動する人は現在、100人を超える。

三好さん自身、この活動が支えになってきたという。ゆるやかだが、信頼できる仲間とつながれる仕組み。更年期障害や介護、それらにまつわるお金の問題など、実は身近な人や職場関係には相談しにくいことを、「プロ友」らに相談できるシステムは「自画自賛だけど、とてもいいと思う」と笑った。

2拠点生活は大変だろうと思うのだが、「東京のネットワークは手放せない。でも、岡山には岡山ならではの面白さがある」。現在進行中のプロジェクトは瀬戸内海の小島に食に携わる人のキャリア教育などの拠点を作るもので、「瀬戸内海の島で仕事するなんて思わなかった」と、実に楽しそうなのだ。

「変化に適応するのは大変だけれど、成長のチャンス」とは、三好さんが「たまひよ」を通じて学んだことだ。自ら施設入りを決断した父上もまた然(しか)り。挑戦を続ける限り、私たちはいつまでも成長できるのだ。(きむら さやか)

会員限定記事会員サービス詳細