欧州最大手のバイクメーカーで「ベスパ」でも知られるピアッジオが、電動スクーター「Piaggio 1」を欧州で発売した。排気ガスの出ないバイクとして十分以上の性能があり、ガジェット感覚の新しいモビリティとして都市部で支持される可能性がある──。『WIRED』UK版によるレビュー。
TEXT BY ANDREW DIPROSE
WIRED(UK)
デザインはプラスティック感が満載で、とても小さく、しかも値段も安い──。そんな第一印象はともかくとして、ピアッジオの電動スクーター「Piaggio 1」は真のゲームチェンジャーになるかもしれない。欧州最大手のバイクメーカーである同社にとっても、そして電動バイク市場にとってもだ。
取り外し可能なバッテリーを搭載した小型の電動スクーターであるPiaggio 1は、価格わずか2,000ポンド(約30万円)強である。つまり、欧州で販売される多くの一般的なペダル付き電動バイクよりも安く、これまで通勤用の電動バイクとして紹介した製品でも、これより安いものはほぼ存在しない。
Piaggio 1には、3つのモデルが容易されている。50ccのモペッドに相当するパワーの「Piaggio 1」、バッテリー容量が大きい「Piaggio 1+」、そして125ccのスクーター相当するパワーの「Piaggio 1 Active」だ。
この製品はZ世代を強く意識している。Z世代の若者は環境への意識が高く、テクノロジーに精通し、シンプルで安全かつ排気ガスのない1台目のバイクを探している都会人だからだ。
ユーザーインターフェースは従来型のバイクというよりも映画『トロン』にでも出てきそうな雰囲気で、iPhoneのように自宅で充電できる。これは移動手段であると同時にテック系の製品でもあり、新たなガジェットを買うような感覚で買うバイクなのだ。