電動スクーター「Piaggio 1」は、都市の移動体験を大きく変える可能性がある 製品レビュー

完全なる静寂

走ってみての第一印象は「無」だ。静寂。完全なる静寂である。モーターからはほぼ一切の高周波音が聞こえず、加速は非常に滑らかだ。

このため、バイクが近づいていることを歩行者に知らせるためだけに、通常よりクラクションを鳴らす機会が増えることは覚悟しておこう。不思議と心落ち着く乗車体験であり、控えめなサイズでも振動やノイズがあるガソリンタイプのスクーターとは好対照をなしている。

加速にはムラがなく、バスの追い越し(パワー不足のせいでは何度も追い越しを断念せざるを得なかった)や信号が切り替わった際の発進に不満を感じることはあったものの、制限速度が時速20マイル(同約32km)や30マイル(同約48km)の英国の都市部をスムーズに走ることができた。

スロットルによる加速には限界がある。175mmのダブルディスクブレーキは小さな10インチの車輪を難なく止め、減速時には運動エネルギー回生システム(KERS)がバッテリーを充電する。

駐車は簡単だ。ここでも控えめなサイズと重量のおかげで、センタースタンドに載せたり停止時に位置を調整したりといった動作が、より大型のスクーターと比べて非常に簡単になっている。

都市型のライダーのために

それでは、Piaggio 1は誰のためのバイクなのだろうか?

それは、クリーンで充電が簡単で、排気ガスのないバイクを求めているライダーだろう。最高時速30マイル(48km)前後の速度で満足できるような、都市部しか走らないライダー向きである。

Z世代であろうとなかろうと、たとえ用途が限られていたとしても、軽くてシンプルなバイクを求めているライダーにおすすめしたい。30マイル(約48km)以上の距離を走ったり、制限速度が時速30マイルを超える道を攻めたりしたいライダーは、ほかのバイクを選んだほうがいい。

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