浪速風

認知症医療を変えた長谷川和夫さん

在宅医療専門クリニックを展開する医療法人社団「悠翔会」(東京都港区)理事長の佐々木淳さんがラジオ番組で、「病院にいると『ドクターストップ』という言葉があるが、在宅は『ドクターゴー』です」と話していた。「危ないからベッドから出るな」が病院の医療で、患者がやりたいことを「どうすれば」「どこまで」やれるかを考えるのが、在宅医療だというのだ

▶「痴呆症」という呼称が「認知症」に変わったのは17年前のこと。先日、92歳で亡くなった認知症医療の第一人者の長谷川和夫さんが議論を先導し、隔離や身体拘束が当たり前だった社会を変えた

▶斬新に聞こえる「ドクターゴー」だが、佐々木さんは「新しい考え方ではない。『そんな概念はない』と医者が患者に刷り込んできた」という。長谷川さんが普及に尽力した「パーソン・センタード・ケア(その人中心のケア)」と重なる「ドクターゴー」が社会を変える日も、遠くないかもしれない。