FIGHT10 いきもの巡り

「赤腹井守」が抱える〝自然の芸術〟 アクアマリンいなわしろカワセミ水族館

地域ごとに異なるアカハライモリの腹部模様。ほかに愛知県の渥美種族も存在する(アクアマリンいなわしろカワセミ水族館提供)
地域ごとに異なるアカハライモリの腹部模様。ほかに愛知県の渥美種族も存在する(アクアマリンいなわしろカワセミ水族館提供)

そして、このおなかの模様、生息している地域ごとに違うのです。樹状模様が強かったり、模様がほとんどなく真っ赤だったり、細かい斑点があったりと、その地域の個体群ごとに、長い自然の歴史の中で作り上げられた芸術が彼らのおなかには刻まれているのです。実は、そのほかにも、繁殖生態などが地域によって違っている場合もあります。

近年、ペットショップや生きものの即売会、そして、オークションなどでさまざまな地域の捕獲個体が安価で売られているのを目にしますが、安易に手に入る彼らが、飼えなくなって逃がされた事例も耳にします。

他地域のイモリ、つまり、おなかの模様や繁殖生態などが異なる個体が、ある地域で逃がされると、どうなるでしょうか。彼らの作り上げた自然の芸術が壊れるだけでなく、種としての存続の危機にもなりかねません。そんなところからも、終生飼育の大事さを強く感じます。 (アクアマリンいなわしろカワセミ水族館 技師 永山駿)

アクアマリンいなわしろカワセミ水族館へのアクセス
アクアマリンいなわしろカワセミ水族館へのアクセス

アクアマリンいなわしろカワセミ水族館】 福島県中央部、猪苗代湖と磐梯山に囲まれた湖沼群を通し人と地球の未来を考える施設(猪苗代町長田東中丸3447の4)▽開園時間=午前9時半~午後4時(3~10月は同5時)▽入館料=高校生以上700円、小中学生300円▽年中無休▽0242・72・1135

FIGHT10(ファイト・テン)】 少子化や人口減による入場者数確保に悩む地方の動物園や水族館の課題解決に向け、北関東3県と福島県の10施設が連携した取り組み。動物との触れ合いを通し命の大切さを学んでもらうとともに、地域活性化を目指しスタンプラリーの他、持ち回りで移動動物園などのイベントを行っている。命名は福島(F)、茨城(I)、群馬(G)、栃木(T)4県の頭文字に「心の絆」を表すハート(HEART)のHをあてた。

10施設は以下の通り。

【福島県(F)】アクアマリンいなわしろ水族館、アクアマリンふくしま

【茨城県(I)】アクアワールド茨城県大洗水族館、日立市かみね動物園

【群馬県(G)】桐生が岡動物園、群馬サファリパーク

【栃木県(T)】宇都宮動物園、那須どうぶつ王国、栃木県なかがわ水遊園、那須サファリパーク

会員限定記事会員サービス詳細