第33回フジテレビヤングシナリオ大賞に生方美久さん「踊り場にて」

賞状を手にする大賞受賞者の生方美久さん(C)フジテレビ
賞状を手にする大賞受賞者の生方美久さん(C)フジテレビ

多くの人気脚本家を輩出してきた「フジテレビヤングシナリオ大賞」の授賞式がこのほど都内で行われ、第33回の大賞受賞者に「踊り場にて」の生方美久(うぶかた・みく)さんが選ばれた。

同局の金光修社長から賞状を贈られた生方さんは「自分の実力が明らかになるまでは諦められない。そう思い書き続けた。で、ヤンシナ大賞。それも諦めたときの心の支えにするために書いた作品。人生だな、と思った。ようやく映像になる機会にたどり着いた。階段をのぼり始めて、まさにちょうど踊り場に着いた感じ。ここからは少し方向を(プロという道に)変え、上へ上へとのぼっていく。上の階に着くまでは、やっぱり諦められません」と喜びをかみしめた。

今回の応募は昨年より400以上も多い1978作品だった。同局でドラマ化される「踊り場にて」は、プロのバレエダンサーを目指し海外で活動していた29歳の美園舞子が夢を諦め、高校教師として復職し、個性的な生徒達との交流を通して人生を見つめ直すヒューマン作品である。

審査委員長を務めた制作センターの並木道子副部長は「構成、せりふともに群を抜いていた。登場人物たちの点と点が繋がっていく構成の巧みさ。ユーモアのあるせりふの掛け合いとシリアスな感情シーンとのバランスの妙。学校の踊り場が目に浮かんでくるような描写もすばらしい。読み終わった後、すがすがしい気持ちにさせてくれる作品であった」と高く評価した。

大賞・佳作受賞者で写真撮影に臨んだ(左から)深澤伊吹己、生方美久、金民愛、北浦勝大(C)フジテレビ
大賞・佳作受賞者で写真撮影に臨んだ(左から)深澤伊吹己、生方美久、金民愛、北浦勝大(C)フジテレビ

佳作は、金民愛(きむ・みね)さんの「消え失せろ、この感情」、深澤伊吹己(ふかさわ・いぶき)さんの「すりーばんと」、北浦勝大(きたうら・かつひろ)さんの「7階エレベーター無しに住む橋本」が選ばれた。

同賞は若手脚本家の登竜門といわれ、これまでに坂元裕二、野島伸司、橋部敦子、浅野妙子、野木亜紀子ら有名脚本家を生み出している。

並木副部長は「今回の受賞作はこれからプロとしてエンタメ界を牽引していく人材になり得る将来性を十分に感じた。完全オリジナルで連続ドラマという10時間以上の物語を作り上げる作業はまさに至難の業。原作ありの作品が増え続ける昨今、多くのテレビドラマの作り手はこのままで良いのか自問自答しているはずだ。オリジナルドラマの制作を放棄することを避けるためには、いまこそ力強い言葉を生み出す作家が切実に求められている。近い将来、受賞者のみなさんとともに戦い、あっと言わせる良作を世に送り出したいと願っている」とエールを送った。

第34回は12月中旬から募集を開始する予定。

(産経デジタル)