浪速風

「食言」は信用されない

モニター画面に映る中国の女子テニス選手、彭帥さんと会話を交わすIOCのバッハ会長(ⓒIOC/Greg Martin)
モニター画面に映る中国の女子テニス選手、彭帥さんと会話を交わすIOCのバッハ会長(ⓒIOC/Greg Martin)

人物や組織が信用に足るかどうか。物差しのひとつは、日ごろの言動だろう。いくら真っ当なことを言ったとしても、普段の行状が芳しくなければ、眉唾(まゆつば)に思えてしまう。どんなに高い地位にあろうとも、信頼は得にくいのが、世の習いである

▼「食言」という言葉がある。前言を簡単に覆すこと、噓をつくことを指す。中国の春秋時代、魯の国に、食言癖のある大臣がいた。君主の寵臣(ちょうしん)が太っていることを宴席でバカにしたところ、君主から「言葉を食べて太る人もいる」と逆に批判された。今どきの表現なら「ブーメラン」だろうか。中国には「食言而肥」と相手をののしる言い回しもあるそうだ

▼中国の元副首相に性的関係を強要されたと告白した後に消息不明となっていたテニス選手、彭帥(ほうすい)さんをめぐる問題で、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長がテレビ電話で話し、無事を確認したという。よく肥えた中国とIOCの組み合わせ。信用するには、根拠が薄い。