鬼筆のスポ魂

不適切行動で涙の会見、輝く遼君を待つファンのために 植村徹也

記者会見で謝罪するの石川遼
記者会見で謝罪するの石川遼

不思議、不可解…の終着駅が涙の謝罪なのかー。男子ゴルフで日本ツアー通算16勝の石川遼(30)が「カシオ・ワールドオープン」(25~28日)会場の高知県Kochi黒潮CCで24日記者会見し、米国(10月19~22日・米国下部ツアー2次予選会出場)から帰国後の新型コロナウイルス対策の自主隔離中に不適切な行動があったことを謝罪した。

「自分の行動は間違いであり、ミスを大変重く受け止めております。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と頭を下げた石川は「男子ゴルフ界のイメージにつなげて考えられたり、語られたりするのであれば責任は大きい。本当に自分はバカだなと思う」と涙を流し、言葉を詰まらせた。

石川は10月24日朝に米国から帰国。新型コロナウイルス感染対策で14日間の自主隔離期間があったが、期間内に隔離先に指定していた千葉県内のゴルフ場でコーチやゴルフ場関係者と2人以上でラウンドや飲酒を伴う食事を行っていた。11月8日の週刊誌の報道で明らかになり、発覚翌日の9日、マネジメント会社を通じて謝罪。「三井住友VISA太平洋マスターズ」の出場辞退を決め、JGTO(日本ゴルフツアー機構)に選手会副会長、理事の辞任届を提出。15日にはJGTO臨時理事会が行われ、1カ月間の出場停止処分と辞任届の受理が決定した。

それにしても、一連の騒動は不思議、不可解…と首をひねることばかりだ。まず米国下部ツアー2次予選会への挑戦。プロのアスリートとして松山英樹が活躍する米ツアーにもう一度、挑戦して、ライバルに肩を並べたい…という意欲は否定しない。ただ、石川の今季国内成績は2位(2回)が最高。賞金ランクは17位だ。渡米する直前には日本のプロゴルフメジャー大会の日本オープン選手権(滋賀県琵琶湖CC)が開催された。優勝賞金4200万円、賞金総額2億1000万円という国内最高峰の大会だが、渡米準備のためか欠場した。

あるゴルフ関係者はため息まじりに話していた。

「どうして、今さら米ツアーなのか? 日本国内でも若手の勢いに押され、結果が出ていないのに…。しかも、これから国内では高額賞金の大会が続く時期。わざわざ芝の質や空気の乾燥度など環境の全く違う米国に行くデメリットは大きいはずだ。挑戦意欲は買うが、計画性には??だ」

帰国後の〝違反行動〟にも不可解な部分が多い。石川本人は東京五輪の強化選手に適用された、かつての特別措置を念頭に「自分の中ではルールは守られている」と思い込んでいたことを明らかにしていたが、石川を〝管理〟する立場のマネジメント会社は何をしていたのか。発覚すればヤバい…と直感? いや理解できなかったのであれば、マネジメント失格と指摘されても仕方ない。

さらに隔離先のゴルフ場はどんな理解で石川を受けいれたのか。ゴルフ場関係者は石川とラウンドや飲酒している。隔離先として石川を迎え入れたのなら、しっかりとした態勢で「隔離行動」を助けなければならないのに、石川を訪ねた? 呼ばれた? のか知らないが、一緒にラウンドや飲酒を楽しみ? 石川ひとりが涙の会見とは…。高知県のゴルフ場で謝罪会見を行ったのも、千葉のゴルフ場の存在を薄めたかったのか…と邪推してしまう。

石川は2007年、17歳の時に国内ツアーで日本国内最年少優勝を飾った。あれから14年の歳月が過ぎ去った。依然として日本男子ゴルフ界の大スターだ。だからこそ不適切行動も大々的に扱われる。遼君を熱烈に応援している人々は多い。日本全国が今度、注目を集める時はリーダーズボードのトップで…と祈るばかりだ。そのためには、しっかりとしたビジョンの確立と周辺の〝整備〟が必要だろう。

(特別記者)