正論

国連の気候会議で失われた国益 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・杉山大志

国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で演説する中国の解振華・気候変動問題担当特使=10日、英グラスゴー(AP)
国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で演説する中国の解振華・気候変動問題担当特使=10日、英グラスゴー(AP)

「先進国が率先して脱炭素に取り組み、中国に圧力をかければ、中国も先進国同様の取り組みをする」という説はやはり「おとぎ話」にすぎなかった。COP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)で中国は一歩も譲らず、先進国の自滅だけが確定した。

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹、杉山大志氏
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹、杉山大志氏

中国の完全勝利に終わった

今春の米国主催の気候サミットでG7(先進7カ国)諸国は軒並み「2030年までにCO2等の温室効果ガスを半減、50年までに排出ゼロ(脱炭素)」を宣言した。日本も昨年末の50年までの排出ゼロ宣言に続き、30年に46%削減すると宣言した。

これに対し中国は30年までCO2等を増やし続ける計画を変えなかった。ゼロにする時期も60年としていて、50年への前倒しには応じなかった。今回のCOP26でも、この構図は崩せなかった。のみならず各国が宣言してきた目標が格上げされ、パリ協定という国際条約の中で確定してしまった。

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