ソロモン諸島でデモ暴徒化 親中路線に反発

26日、ソロモン諸島の首都ホニアラで、反政府デモ隊らに放火され、ごみが散乱する中華街を歩く人々(AP)
26日、ソロモン諸島の首都ホニアラで、反政府デモ隊らに放火され、ごみが散乱する中華街を歩く人々(AP)

【シンガポール=森浩、北京=三塚聖平】南太平洋の島嶼(とうしょ)国ソロモン諸島の首都ホニアラで政府に反発するデモが相次ぎ、一部が暴徒化している。デモ隊はソガバレ首相や同氏が推進する親中国的な政策に反発を強めており、中国人が経営する商店などを襲撃した。事態を重く見た中国政府は「重大な懸念」を表明。反発の拡大を警戒している。

AP通信などによると、ホニアラでは24日、約千人が参加するソガバレ首相の退陣を求めるデモが行われた。その後、デモ隊の一部が議会に侵入し、警察や中国人街の建物などに火を付けた。政府は治安維持のためにオーストラリアに警察や軍の派遣を依頼したが、暴動は26日も継続した。

デモ隊の多くは、ホニアラのあるガダルカナル島の北東部に位置するマライタ島の住民だという。両島住民は1990年代以降、対立が続いており、マライタ島住民グループは2019年に政府が台湾と断交し、中国と国交を結んだ決定に強く反対している。

国内には中国企業が地元住民を雇用していないことへの不満もくすぶっている。ソガバレ氏は26日、「中国との関係を望んでいない国々がマライタに影響を与えている」と述べ、海外の勢力がデモ隊を扇動しているとの見方を示した。

中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は25日の記者会見で、中国人が関わる商店が相次ぎ襲撃を受けたことに懸念を表明し、「中国とソロモン諸島の関係の正常な発展を破壊しようとするいかなるたくらみも無駄なものだ」と牽制(けんせい)した。

ソロモン諸島は国交樹立後、中国接近を急速に進めており、23年に開催される太平洋島嶼国スポーツ大会に向けた新競技場を中国支援で建設することが明らかになっている。

中国の習近平国家主席は9月下旬、ソガバレ氏と電話会談し、国交樹立後の両国関係の発展を称賛した。中国側の発表によると、ソガバレ氏は「台湾、新疆(しんきょう)ウイグル自治区、香港、人権などに関わる問題で引き続き中国側を断固支持する」と応じたという。