徳島の病院がサイバー被害 身代金拒否しカルテのシステム再構築へ

サイバー攻撃を受け患者の電子カルテが閲覧できなくなったことについて、記者会見する病院関係者ら=26日午後、徳島県つるぎ町
サイバー攻撃を受け患者の電子カルテが閲覧できなくなったことについて、記者会見する病院関係者ら=26日午後、徳島県つるぎ町

徳島県つるぎ町の町立半田病院で、電子カルテを管理するサーバーがサイバー攻撃を受け、患者約8万5千人分の電子カルテが閲覧できなくなった。同病院は26日会見し、犯人がカルテの復元の代わりに要求していた「身代金」を支払わず、約2億円をかけてカルテのシステムをゼロから再構築する方針を説明。来年1月4日をめどに通常診療を再開する見通しを明らかにした。

病院によると、使用していたVPN(仮想私設網)にアクセスするためのIDとパスワードが漏洩(ろうえい)。攻撃者に侵入された可能性が高いという。再発防止策としてVPNのインターネットへの常時接続をやめ、バックアップデータも隔離して保管することを検討する。

病院は10月末、データを暗号化し復元する代わりに身代金を請求するコンピューターウイルス「ランサムウエア」に感染。一部の診療科を除き新規患者の受け入れを停止している。

会員限定記事会員サービス詳細