デジタルインフラ発展で通信障害の影響拡大

NTTドコモへの行政指導後、記者会見する金子総務相=26日午後、総務省
NTTドコモへの行政指導後、記者会見する金子総務相=26日午後、総務省

NTTドコモで10月に発生した大規模な通信障害について、総務省が行政指導を実施したのは、社会インフラとなった携帯電話の通信回線で障害が発生したことで、スマートフォン決済やタクシーの配車など、多様なサービスに影響が波及したからだ。法人向けのネットワーク工事の不具合の影響が携帯電話の一般利用者の通信をとめる結果になったことも厳しい処分につながった。

「今回の重大事故は社会的影響が極めて大きく利用者の利益を大きく阻害するものと認められた」。金子恭之総務相は26日の閣議後会見でこう強調した。

スマホの普及によって、従来の通話やインターネット閲覧だけでなく、金融決済やタクシーの配車、食事の出前、シェアサイクルなど、通信ネットワークに依存したサービスが年々増えている。

今回の障害でドコモは影響人数を音声通話で約460万人、データ通信で830万人以上と推計したが、携帯電話を利用した何らかのサービスが使いづらくなった人はより多いとみられる。

家電や自動車、カメラなど、あらゆる電子機器がインターネットにつながってデータをやりとりするIoTサービスが一般的になる第5世代(5G)移動通信システムで同様の事故が発生すれば被害はさらに大きくなる。

障害の原因はタクシーや自動販売機に搭載された電子決済用機器のIoTネットワーク工事中に不具合だった。協力会社との連携が不十分で工事を中断する手順を誤った。

5Gでは競合他社との基地局の共有や異業種との協業が不可欠になる。総務省はKDDI(au)とソフトバンク、楽天モバイルにも総点検を指示、業界全体で教訓を共有するよう要請した。携帯電話の回線数国内首位のドコモには、今回の失敗を積極的に情報公開し他社の模範となることが求められる。(高木克聡)