【シンガポール=森浩】オーストラリア政府が来年2月の北京冬季五輪に政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を検討していることが25日、明らかになった。香港や新疆(しんきょう)ウイグル自治区などでの人権問題を理由としている。地元紙シドニー・モーニング・ヘラルド(電子版)が報じた。
同紙によると、ペイン外相やコルベック・スポーツ相が開会式などに参加する可能性は低いという。同じく外交的ボイコットを検討しているバイデン米政権の判断を待って、最終結論を下す見通しだ。
豪州政府は人権問題以外にも、中国元副首相に性的関係を強要されたとの告白後に動静が分からなくなった女子テニス選手、彭帥(ほう・すい)さんをめぐる問題も懸念しているという。
与党自由党のアベッツ上院議員は、同紙に「(外交的ボイコットを通じ)世界の自由を愛する国々がこの独裁国家に『もうたくさんだ』といえる機運が高まることを願う」と訴えた。