野村卓也 うめきたto the world

雑談から始まる新企画 いちごとラボの意外な関係

新設されたザ・ラボのいちご栽培展示を前に野村卓也氏とエキスプレスの大富國正会長、舞洲フェルムの中野友明代表(左から)
新設されたザ・ラボのいちご栽培展示を前に野村卓也氏とエキスプレスの大富國正会長、舞洲フェルムの中野友明代表(左から)

「いちごをテーマになんかできませんかね」

お笑いコンビ「アメリカザリガニ」の一人、平井善之さんの発した一言がその場にいる全員の心に刺さった。別件の打ち合わせの場での雑談だったが、確かに「いちご」は面白いかもしれない、という直感が働いた。

JR大阪駅北側の知的創造・交流の場「ナレッジキャピタル(KC)」(大阪市北区)では、人工知能(AI)や仮想現実(VR)といった先端技術に関する活動や展示も多いが、いちごのイメージは全くないだろう。

そのイメージは見た目にかわいらしいし、食べればおいしい。ただ、それでいて品種や栽培、収穫方法など科学的、技術的なテーマも含まれる。「食と農」は気候変動が問題となっている現代にとても大切な分野。KCとしても力を入れたいと考えていたが、そのスタートにいちごこそぴったりのテーマだった。いろんな角度からいちごを取り上げる企画が始まった。

グランフロント大阪北館3階の「The Lab.(ザ・ラボ)みんなで世界一研究所」では、いちご栽培の展示スペースを開設。室内で土の代わりにヤシガラを、太陽光の代わりにLEDを使って四季なりのいちごを育てている。

映像制作会社「エキスプレス」(大阪市北区)とその関連会社で都市型農園を営む「舞洲フェルム」(同此花区)による実証実験で、来館者に観察日記を書いてもらうなど、みんなで生育を見守る計画だ。「The Lab.」で植物を栽培するのは初めての試みだが、収穫を楽しみにしたい。

12月12日にはKCの名物イベント、大型のこたつを囲んでさまざまなジャンルのゲストが意見を交わす「こたつ会議」で、言い出しっぺの平井さんをはじめ、いちごに関わる専門家らが、いちごについて語り合う。リアル会場の座席は既に事前申し込みで満席となったが、当日の模様をユーチューブライブでも配信する。

また、グランフロント大阪北館1階のダウンステアーズコーヒーでは限定いちごスイーツも販売する(12月1日から)。詳細はK Cのホームページをご覧いただきたい。

野村卓也(のむら・たくや)氏 一般社団法人ナレッジキャピタル総合プロデューサー。大阪府生まれ。平成4年にスーパーステーションを設立し、現在も社長を務める。グランフロント大阪の中核施設「ナレッジキャピタル」の開業に先立ち、20年からコンセプト立案や事業戦略などを手がけた。関西大、大阪芸術大の客員教授。一般社団法人データビリティコンソーシアム戦略顧問。29年から内閣府政策参与も務める。