「石川文洋アーカイブス」設立 ベトナム戦争のすべてのネガをデジタル化

デジタル化で作品の再発見が多かったと語る写真家の石川文洋さん (坂本慎平撮影)
デジタル化で作品の再発見が多かったと語る写真家の石川文洋さん (坂本慎平撮影)

写真家の石川文洋さん(83)がベトナム戦争で撮影したすべての写真のネガ約1万3000点をデジタル化するプロジェクト「石川文洋アーカイブス」がこのほど完成し、20日、東京都新宿区の早稲田奉仕園でのトークショーで約千点をプロジェクター投影で公開した。

デジタル化したネガは主に、石川さんが戦時下のベトナムで暮らした1965年1月~68年12月に撮影した写真。戦場での戦闘場面や、戦時下の都市、農村、漁村、歓楽街など多岐にわたる。

「石川文洋アーカイブス」
「石川文洋アーカイブス」

プロジェクトは昨年、日本新聞博物館(横浜市)で開催された石川さんの写真展の準備、運営に協力した写真家・小原佐和子さんら計3人のチームが石川さんと今後のネガの活用などについて話し合ったことがきっかけ。

今年2月から事前調査をはじめ、ベタ焼き、デジタル処理、スライドショーの作成など11月までかかった。小原さんは「貴重なネガをあずかり、作業は慎重をきわめた」と苦労をふりかえる。

デジタル化したおかげで、写真展の準備、写真集の編集、トークショーでの写真投影も作業負担が大幅に軽減され、これまで以上に多くの活用、発表、配信が可能となる。

石川さんはトークショーで、「デジタル化を経て、すべての写真に目を通す機会になり、その中には撮影したことを改めて思い出す場面もあり、再発見することが多かった」と述べた。

データの今後の活用について小原さんは、「石川さんは広く作品を世の中に還元することを希望されているので、そのお手伝いができればうれしい」と語った。

(坂本慎平)