日印との合意破棄のスリランカの港、中国企業開発へ

【シンガポール=森浩】スリランカ政府は25日までに、日本やインドと協力して進めるとしていた最大都市コロンボの港湾開発事業について、中国企業への発注を決定した。インド洋のシーレーン(海上交通路)の要衝であるスリランカの中国傾斜がより鮮明となった形で、米印などは警戒を強めそうだ。

スリランカはシリセナ前大統領時代の2019年5月、コロンボ港の「東コンテナターミナル」開発事業について、日印と共同で実施するとの覚書を交わしていた。ところが、19年11月就任の親中派ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領は今年2月に突然計画を変更し、自国だけで開発を行う方針を明らかにしていた。

地元メディアによると、ラジャパクサ政権は23日の閣議で、開発事業の中国インフラ大手「中国港湾工程」への発注を決定した。同社を選んだ理由や発注額は明らかになっていない。運営は「完全にスリランカ側が行う」としている。

スリランカは中国融資によってインフラ開発が進む一方、債務負担も拡大。17年には返済が滞ったことから南部ハンバントタ港の運営権を99年間にわたって中国側に譲渡した。中国が仕掛ける「債務のわな」の典型例とされている。