産経抄

11月25日

明らかに韓国の全斗煥大統領を狙ったテロだった。1983年10月、ビルマ(現在のミャンマー)の国立墓地で爆発が起こり、訪問中だった大統領一行の4閣僚を含む21人が死亡した。爆弾を仕掛けたのは、北朝鮮の工作員である。

▼もっとも当時、軍事独裁政権を率いていた大統領本人は、乗っていた車が2分遅れて到着したためからくも難を逃れた。23日に90歳の天寿を全うした全氏を追悼する声が、ほとんど聞こえてこないのはどうしたことだろう。

▼同じく軍人出身で全氏の後継者だった盧泰愚元大統領もまた、先月亡くなったばかりである。2人は共に、80年に光州で起きた民主化運動に対する弾圧の責任を問われて、大統領退任後に投獄された経験をもつ。いわゆる光州事件では、軍の発砲により百数十人の死者が出たとされる。

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