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中江有里 自分が心地よくなる「SDGs」を

女優で脚本家・作家の中江有里さん
女優で脚本家・作家の中江有里さん

名古屋市中区で今月に開催された「Nishiki―2 SDGs映画祭」にアンバサダーという形で参加した。

SDGs(持続可能な開発目標)にまつわる映画を通じてSDGsについて学ぶ、知るというイベント。こうしたイベントは現在各地で行われ、メディアでも取り上げられている。2015年に国連サミットで採択されたSDGsは、16年から30年の15年間で達成するための目標である。国や企業が先導して広報し、さまざまな場所でSDGsという言葉に触れる機会が増えた。

17の目標の1に掲げられた「貧困をなくそう」は、子供や女性の貧困、新型コロナウイルスの影響で仕事を失った人、学費を払えず退学せざるを得なかった学生など、現在の日本の社会問題を頭に浮かべる人もいるだろう。

11に挙げられる「住み続けられるまちづくりを」は近年自然災害が頻発する日本で、地震で倒壊に備えて電柱を地下に埋める工事、豪雨や台風による河川の氾濫を防ぐための護岸工事も含まれる。

一方、6の「安全な水とトイレを世界中に」は、日本のように水資源とトイレ設備に恵まれた国では遠い話のように思われるが、発展途上国においては深刻な問題で、そうした国に対し先進国はどのような支援ができるか、ということがSDGsの目標から見えてくる。

13(気候変動に具体的な対策を)、14(海の豊かさを守ろう)、15(陸の豊かさも守ろう)の気候変動対策と海や陸を守ることは、地球環境の問題で、すべての国、人が関係している。

冒頭に記したイベントで私はSDGsを「掃除」と重ねて説明した。部屋をきれいにするには掃除しなければならない。でも掃除は一度だけでなく、日々繰り返すもの。そうやって清潔な状態が保たれるようにSDGsも継続してこそ実現したと言えるのだろう。

壮大な目標であるが、まずは知るところから始め、自分でできることを実践。部屋も年に一度の大掃除より、普段から続けておく方が楽だ。

多くの人が無理なく、自分が心地よくなるSDGsを目指していけば、そこにいる人も心地よくなる。

【プロフィル】中江有里

なかえ・ゆり 女優・脚本家・作家。昭和48年、大阪府出身。平成元年、芸能界デビュー。多くのテレビドラマ、映画に出演。14年、「納豆ウドン」で「BKラジオドラマ脚本懸賞」最高賞を受賞し、脚本家デビュー。文化審議会委員。