西日本フィナンシャルホールディングス(FH)と九州リースサービスは25日、令和4年5月をめどに資本・業務提携することで基本合意したと発表した。西日本FHが九州リースを持分法適用会社とし、グループ会社化する。関心が高まるSDGs(持続可能な開発目標)などと親和性の高いリース事業をグループ内に取り込むことで、さらなる収益基盤の強化を図る狙いだ。(小沢慶太)
今後、具体的な連携策や提携効果などについて協議を重ね、4年5月の提携契約締結を目指す。同10月をめどに、西日本FHが九州リースに対する議決権保有比率を30%程度まで引き上げ、持分法適用会社とする。
グループ会社化にあたり、銀行法によって規制される九州リースの不動産事業などは会社分割によって同社の100%子会社に承継する。九州リースの東京・福岡両証券取引所への上場は維持する。
九州リースは九州を主要地盤にリース、割賦を中心に金融、不動産、環境関連事業などを展開している。独立系リース会社としては九州でトップの事業規模を誇る。
従来、両社の関係は深い。九州リースの礒山誠二社長は西日本FHの元副社長で、取締役にも西日本FH傘下の西日本シティ銀行出身者が名を連ねる。西日本FHと西日本シティ銀合わせて10%近い株式を保有している。
西日本FHは平成29年、それまで2社あったリース会社の提携先を九州リース1社に絞り、将来的な資本・業務提携に向けて検討を進めてきた。
銀行法で規制される事業を会社分割で切り離す手法がメガバンクの先行事例で認められたことや、SDGsなど環境への取り組みに対するニーズが急速に高まっていることを背景に、より連携を強化するためグループ会社化に踏み切る。
西日本FHの村上英之社長は記者会見で「リースは資源の循環など環境への負荷軽減に貢献できる取引形態だ。脱炭素の取り組みに対しても融資とリースを組み合わせ、より効果的な提案が可能になる」と強調した。九州リースの礒山氏も「西日本FHの強固な顧客基盤を生かした事業展開で、総合金融サービスを提供することができる」と語った。
また村上氏は、議決権保有率比率を30%程度とすることについて「九州リースの経営の自立性を尊重するという観点で頃合いがいいのではないか」と説明した。