米、リトアニア支持鮮明 台湾との関係強化後押し

「駐リトアニア台湾代表処」のプレートの前でポーズを取る職員ら=18日(台湾外交部提供・共同)
「駐リトアニア台湾代表処」のプレートの前でポーズを取る職員ら=18日(台湾外交部提供・共同)

【ワシントン=大内清】バイデン米政権が、台湾当局の大使館に相当する「台湾代表処」の開設を認めたリトアニアへの支持を鮮明にしている。24日にシャーマン国務副長官が首都ワシントンでリトアニアのランズベルギス外相と会談。前日には両国高官らが「インド太平洋戦略対話」を行い、代表処開設をめぐりリトアニアとの外交関係の格下げを発表した中国に対抗する姿勢を示した。

戦略対話でバイデン政権は、リトアニアを北大西洋条約機構(NATO)の同盟国としてのみならず、地理的には遠く離れたインド太平洋地域における「パートナー」だと強調。貿易や投資、安全保障、サイバーなどの各分野で連携を強化することでも一致した。名指しこそ避けているものの、リトアニアへのさらなる報復措置が予想される中国を念頭に置いたものであることは明らかだ。

またシャーマン氏は会談で、「リトアニアがインド太平洋で民主主義勢との結びつきを拡大するのを支持する」と述べ、同国と台湾の接近を後押しした。

リトアニアは中国と国交を持ち、台湾とは外交関係がないが、近年は香港での民主派弾圧や新疆ウイグル自治区での人権侵害などで中国を批判し、台湾との関係を強化。旧ソ連末期に民主化運動を経て独立を達成した歴史も、中国の権威主義体制への反発と、威圧を受ける台湾への共感の背景にあると指摘される。

そうした中、台湾当局は今月18日、欧州で初めて「台湾」の表記を冠した出先機関「駐リトアニア台湾代表処」を同国の首都ビリニュスに設置。これに猛反発する中国は21日、リトアニアとの外交関係を「大使級」から「代理公使級」に引き下げると発表した。

その直後のタイミングでバイデン政権がリトアニアへの支持を鮮明にさせたのは、台湾との関係強化に動く国々に向けて「見捨てることはない」とのメッセージを送るために他ならない。また、ロシアの後ろ盾を受けて欧州連合(EU)との対決姿勢を強めているベラルーシと隣接するリトアニアを支えることは、地域の安定維持にとっても大きな意味を持つ。

バイデン政権は来月9~10日に開催する「民主主義サミット」に台湾やリトアニアを含む約110カ国・地域を招待。権威主義や腐敗、人権侵害などとの戦いをテーマとした協議を通じ、民主主義陣営の連帯を強化したい考えだ。