東芝の主要株主で、シンガポールの資産運用会社、3Dインベストメント・パートナーズは24日、東芝の会社3分割計画に反対を表明する書簡を公開した。「本質的な課題を解決しない」と批判している。3D社は東芝株7%程度を保有。主要株主の反対姿勢が公になるのは初めてとみられる。
書簡は東芝の取締役会と、社外取締役で構成する戦略委員会に送付した。東芝は3分割計画を来年に開く臨時株主総会で諮る意向で、3D社を含めた「物言う株主」の動きが今後活発化しそうだ。東芝は「株主に対し、計画のご理解を得られるよう努めていく」としている。
書簡は「東芝は過去20年間、執行部の下、企業価値を創出できていない。(3分割は)高い確率で同様の問題を抱えた『小さな東芝』を三つ生み出す」と強調。変革を望まない「妥協案」と切り捨てた。議論の過程の不透明性も問題視し、説得力ある追加情報の開示がない限り支持しない姿勢を示した。
企業価値の向上は「中核事業の選別、集中的な資源投下と、非中核事業の価値最大化で達成される」とし、ファンドへの身売りなどの必要性も示唆した。