サッカー通信

日本人はマナー良し?! Jリーグの実証実験「ワクチン接種もマスク9割超」

ワクチン・検査パッケージ(VT)で入場する人のために設けられた証明書チェックブース=10月12日、さいたま市(日本サッカー協会提供)
ワクチン・検査パッケージ(VT)で入場する人のために設けられた証明書チェックブース=10月12日、さいたま市(日本サッカー協会提供)

VT席利用者の満足度も高かった。試合後のアンケートでは、満足度・安心度について5段階評価で平均4の評価がついた。今後もVT席を選択するかという問いには、感染リスクの少なさから希望するという回答が多かった。一方、会場までの導線や入場前のイベントブースはVT席と通常席との住み分けがなされておらず、「エリア分けしても同じ」という意見もあった。

6、7月に行われた欧州選手権ではサポーターがマスクを外して大声援を送る姿が目立ち、イギリスでは9000人以上の新規感染者が出たと報じられた。スポーツ界へ厳しい視線が向けられたが、Jリーグでは実証導入後のクラスターは確認されていない。

Jリーグと日本野球機構(NPB)合同の新型コロナウイルス対策連絡会議で、政府の分科会のメンバーでもある舘田一博・東邦大教授は、「これは簡単なことではなく、日本だからできること。海外では考えられないことをNPBとJリーグがリーダーシップを発揮して、根付いていることが確認できた」と実証結果を評価。Jリーグの村井満チェアマンは「心の緩みはなかった」とうなずき、来季以降は「基本的にはできる限り100%のお客さまを迎えることを目指したい」とさらなる制限緩和に意欲を示した。

ハードルが高いのは飛沫(ひまつ)の拡散が予想される声出し応援だ。クラブやサポーターから復活を希望する声もあるが、専門家は厳しい見解を示す。対策連絡会議の三鴨広繁・愛知医科大教授は「実験をするにしても万が一、何かが起きた場合に誰が責任を取るのかという難しいものがある。マスクを取っての応援はどこかで越えないといけないハードルだが、まだ2、3年は厳しいかもしれない」と渋い表情。日常生活を取り戻す戦いは始まったばかり。一歩ずつ前に進むしかなさそうだ。(運動部 川峯千尋)