サッカー通信

日本人はマナー良し?! Jリーグの実証実験「ワクチン接種もマスク9割超」

ワクチン・検査パッケージで入場する人の流れを分析するレーザーレーダー。証明書チェックブースの前に設けられた=10月12日、さいたま市(日本サッカー協会提供)
ワクチン・検査パッケージで入場する人の流れを分析するレーザーレーダー。証明書チェックブースの前に設けられた=10月12日、さいたま市(日本サッカー協会提供)

新型コロナウイルスの感染者減少にともない、10月からワクチン接種証明や陰性証明を活用した技術実証「ワクチン・検査パッケージ(VT)」による大規模イベントの入場制限緩和が始まっている。サッカー界はいち早くJリーグやYBCルヴァン・カップなどで導入。海外では夏の欧州選手権でクラスター(集団感染)が発生する事態も生じたが、技術実証では日本国民のまじめさが際立つ結果が浮かび上がった。

ワクチン・検査パッケージ(VT)で入場した人には本人確認後、ピンク色のリストバンドを着けられた=10月12日、さいたま市(日本サッカー協会提供)
ワクチン・検査パッケージ(VT)で入場した人には本人確認後、ピンク色のリストバンドを着けられた=10月12日、さいたま市(日本サッカー協会提供)

「ちゃんとリスクを見える化して、日本のスタジアムが安全なことを証明したい」

10月30日。技術実証が行われたルヴァン杯決勝(埼玉スタジアム)でのメディア説明会で、産業技術総合研究所(産総研)の担当者は熱っぽく訴えた。昨年からJリーグと連携する産総研は、AI(人工知能)を活用。ワクチン接種済証や陰性証明書を持っている人だけが入れる「VT席」が導入された試合で、マスク着用率や声だし応援の有無などを分析。VT席の導入で観客の行動に〝緩み〟が生まれていないかを調査してきた。

産総研の検証によると、10月に行われたJリーグ、ルヴァン杯、日本代表戦の計8試合では、VT席でのマスク着用率は試合中で平均94・3%、ハーフタイム中で同81・4%と通常席との差はほぼなかった。非着用の理由は飲食による一時的なものか子供の付け忘れが多く、着用率に大きな差は見られなかったという。

10月12日のワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選・日本―オーストラリア戦など3試合では、音源を聞き分けるマイクロホンアレイという機器を使って音声解析。試合開始後2時間のうち、歓声が上がった時間はスタジアム全体で平均3・1%(3~4分程度)、拍手割合は同55・6%だった。VT席に限ると歓声は同2・7%。終盤に日本が勝ち越したオーストラリア戦はやや歓声が多かったといい、試合展開も影響を及ぼすことが分かった。

人の位置を測定するレーザーレーダーでは、入場時の混雑ぶりを調査した。証明書チェックブースでワクチン接種済証などの確認に要する時間は、一人当たり平均33・4秒と比較的スムーズ。平日夜に行われたルヴァン杯準決勝では試合開始10分前が最も混雑したが、半径2メートル以内の平均人数は2人ほどと密集状態は発生しなかったという。