信州大に水やエネルギー循環型エコハウス 企業などと完全自律目指す

サーキュラーエコハウス内部を見学する信州大の中村宗一郎学長(左)と手嶋勝弥教授=長野市(原田成樹撮影)
サーキュラーエコハウス内部を見学する信州大の中村宗一郎学長(左)と手嶋勝弥教授=長野市(原田成樹撮影)

信州大は、水やエネルギーなどを循環利用で賄う「サーキュラー(循環型)エコハウス」を長野市の工学部キャンパスに設置し、他の研究機関や企業などとの共同研究開発を開始した。雨水を生活用水にしたり、太陽電池で給電したりと、製品を組み合わせたレベルから始め、将来は循環機能を高めてインフラ不要な完全自律を目指す。プロジェクトに中心的に関わる手嶋勝弥教授は「3年でプロトタイプ(原型)を実証できるようにしたい」としている。

信大クリスタル活用

建物は、アルメックステクノロジーズ(栃木県鹿沼市)のユニット型ハウスを使用。同ハウスは災害時にも簡易に居住空間を確保でき、太陽電池パネルや雨水を集めて濾過(ろか)して給水する機能などがある。

浄水にはさらに複数の装置を搭載。信州大で開発された無機結晶材料「信大クリスタル」を搭載したトクラス(浜松市)の浄水デバイスやシステムキッチン、竹村製作所(長野市)の緊急用浄水装置や雨水貯留装置、東京理科大のオゾン水生成器を搭載する。

信大クリスタルは、手嶋教授が研究開発を進めている簡易に作ることができる無機結晶材料で、フィルター材として使えば鉛や鉄などの重金属も吸着できる。また、結晶の層の間隔などを調整することで、除去する物質を自由に選べる。

ハウスとは別の研究棟では、生活排水から飲用水を作るなど求められる条件ごとに、最適な水処理工程の組み合わせを人工知能(AI)で見つける手法なども研究する。