小惑星に突入して軌道を変え、地球にぶつかる危険を回避できるか―。米航空宇宙局(NASA)とジョンズ・ホプキンズ大は米西部時間23日深夜(日本時間24日午後)、技術開発に向けた初の実験として探査機DARTをカリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から打ち上げた。
追尾するのは小惑星の衛星ディモルフォス(大きさ約160メートル)。地球衝突の危険はない。来年の秋、地球に最接近するタイミングを狙い、時速約2万4千キロの猛スピードで体当たりする。
自販機ほどの大きさの探査機が突入しても、衛星が小惑星を1周する時間が少し変わる程度の影響しかないが、今回は本番に向けたデータ集め。NASAの惑星科学部門を率いるロリ・グレイズ博士は「衝突までの時間的余裕はどれくらいか、必要な探査機のサイズはどうかを検討できるようになる」と期待する。(共同)