中国が芸能界統制さらに強化 インフルエンサーに16億円超追徴も

罰金計2億9900万元(約54億円)の支払いを命じられた女優の鄭爽(てい・そう)さん(共同)
罰金計2億9900万元(約54億円)の支払いを命じられた女優の鄭爽(てい・そう)さん(共同)

【北京=三塚聖平】中国の習近平政権が芸能界に関する統制をさらに強めている。中国当局は23日、インターネット上の芸能人に関する情報発信の管理を強化する通知を公表。「いびつな美意識」や「拝金主義」といった「良くない価値観」を助長することを禁じる。人々の価値観への介入を増すとともに、違反した芸能人への措置を厳格化させている。

国家インターネット情報弁公室は23日に出した通知で、「近年、ネット上で娯楽化傾向や低俗な騒ぎ立て」が盛んになり、「良くない文化が主流の価値観に衝撃を与えている」と批判。「いびつな美意識」や拝金主義のほか、ぜいたくや享楽を助長したり、スターのスキャンダルを詳細に伝えたりすることを禁じた。

中国当局は、これまでも「いびつな美意識の根絶」を打ち出し、女性っぽい男性アイドルなどがやり玉に挙げられている。通知は芸能人やファンのネット活動を監視するシステムの整備も盛り込んでおり、締め付けは強まるとみられる。

同日には中国の芸能業界団体が、問題行為が認められたネットユーザーや芸能人のリストを公開。ネットで動画中継をできないようにする措置を取ると表明した。リストは一部が伏せ字になっているが、中国国営メディアによると、テレビドラマの出演料をめぐって脱税したとして罰金計2億9900万元(約54億円)の支払いを命じられた女優の鄭爽(ていそう)さんら88人が対象者として列挙されている。

また、22日には浙江省杭州市の税務当局が、ネット上で影響力を持つ「インフルエンサー」として国内で知られている朱宸慧(しゅしんけい)氏と林珊(りんさん)珊(さん)氏の2人を脱税で摘発したと発表した。動画中継を通じて商品を販売していたが、所得税を脱税していたという。加算税などを含めた追徴額は朱氏が6555万元、林氏が2767万元で、日本円で合計16億円超に上る。

共産党機関紙、人民日報(電子版)は同日、「ネット上であれ、どの分野であれ、税収の『グレー地帯』はない」と批判した。