DXはデンマークに学べ 茨城・守谷、行政手続きスマホで完結へ

覚書を締結した守谷市の松丸修久市長(右)とピーター・タクソ・イェンセン駐日デンマーク大使=守谷市役所
覚書を締結した守谷市の松丸修久市長(右)とピーター・タクソ・イェンセン駐日デンマーク大使=守谷市役所

デジタル技術によって社会を変える「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を先進国に学び、行政のデジタル化を進めようと、茨城県守谷市は同県内の自治体で初めて、駐日デンマーク大使館とDXに関する覚書を締結した。同国の知見や技術を取り入れ、将来的には原則24時間365日、いつでも自宅のパソコンなどからインターネットを通じて行政手続きの申請、受け取りができるようにするなど、市民が市役所を訪れなくても済むことを目指している。

守谷市は今年4月、市長公室にデジタル戦略課を設置。住民票の交付などさまざまな申請手続きを、市役所の窓口を訪れることなくパソコンやスマートフォンで行えるなど、行政のデジタル化を目指すことにした。

一方、デンマークは国連電子政府ランキング1位になったことがあるなどDX先進国として知られる。駐日大使館職員は、日本に居ながらスマートフォンなどで、母国に住む母親の健康診断の数値や確定申告などが可能という。

また、デンマークは「ゆりかごから墓場まで」の社会保障制度や環境分野の施策も充実。守谷市は駐日デンマーク大使館と連絡を取り、同国の知見を学ぶことになった。

覚書は、両者が持つ技術、知見、経験に関する情報の交換と発信、経済や産業活動の推進などが盛り込まれている。デンマークが経験したDX分野での成功例はもちろん、失敗例も含めて学び、守谷市の行政に生かしていく考えだ。

今月4日、守谷市役所で行われた覚書の締結式で、松丸修久市長は「DX分野を中心に、環境への取り組みなどさまざまな課題に対し、指導いただくことを楽しみにしている」とあいさつ。ピーター・タクソ・イェンセン大使は「行政のデジタル化はとても重要だ。デジタル化は始まりで、教育やエネルギー分野、文化などに広げていきたい。守谷市から学ぶこともたくさんあると思う」と応じた。

将来的には、デンマーク企業の守谷市への進出やデンマークの自治体との姉妹都市締結なども視野に入っているという。(篠崎理)

■DX(デジタルトランスフォーメーション) スマートフォンの普及やAI(人工知能)スピーカー、キャッシュレス決済など、人々の暮らしをデジタル技術によって変革することを指す概念。2004年にスウェーデン・ウメオ大のエリック・ストルターマン教授が提唱した。「変換」を意味する「Transformation」の「Trans」を、英語圏では数学記号などで「X」と略すため、DTではなくDXとなった。

■自治体行政のデジタル化 総務省は昨年12月、自治体の業務や住民サービスのDXを目指して「自治体デジタルトランスフォーメーション(DX)推進計画」を策定。自治体ごとに異なっている情報システムの統一や、マイナンバーカードの普及、行政手続きのオンライン化などに重点的に取り組むよう要請した。最高情報統括責任者(CIO)を中心とする全庁的な体制の整備や、外部人材の積極登用も求めている。