備蓄石油放出 韓国やインドも決定

米カリフォルニア州沖の原油採掘施設(ゲッティ=共同)
米カリフォルニア州沖の原油採掘施設(ゲッティ=共同)

バイデン米大統領が石油価格高騰の抑制のために備蓄石油の放出を表明したことを受け、韓国やインド、英国も備蓄放出に動いた。

韓国政府は23日、「最近、急激に上昇した原油価格に対する国際協調の必要性や韓米同盟の重要性などを総合的に考慮して決定した」と、備蓄石油の一部放出決定を説明した。

韓国で備蓄石油の放出はリビア内戦による中東情勢の不安定化を受けた2011年以来だ。放出量や時期は改めて決定するとしているが、11年に放出した346万7000バレルと同水準になるとみられている。政府の備蓄総量の約4%で、韓国内で5~6日分の使用量に当たる。

韓国政府は、全国9カ所の基地に計約9700万バレルを備蓄している。輸入が中断しても国内で100日間以上使える量に当たり、政府は、今回放出を実施しても「非常時の石油供給には影響しない」と強調した。

一方、韓国の専門家の間では、今回の措置が石油価格の高騰を一時的に抑えられても、長期的な効果があるかは疑問で、国内経済に及ぼす影響は限定的との見方が強い。

世界第3位の石油輸入国インドは23日、500万バレルの備蓄石油を放出することを明らかにした。同国の石油消費量1日分に相当する。

インド政府は声明で「産油国が意図的に供給量を低く調整し、価格の上昇をもたらしていることに繰り返し懸念を表明してきた」と指摘。各国が連携する意義を強調した。

英メディアによると、英首相報道官は23日、高止まりする原油価格への対応策として、民間備蓄から150万バレルを放出することを許可したと表明。「米国のような国際的なパートナーと緊密に協力して、世界経済を支えるためにできることをしていく」と語った。(ソウル 桜井紀雄、シンガポール 森浩、ロンドン 板東和正)