日ベトナム首脳 中国海洋進出に深刻な懸念

ベトナムのファム・ミン・チン首相(左)を迎える岸田文雄首相=24日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
ベトナムのファム・ミン・チン首相(左)を迎える岸田文雄首相=24日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

岸田文雄首相は24日、官邸でベトナムのファム・ミン・チン首相と会談した。両首脳は共同声明で、海洋進出を強める中国を念頭に、南シナ海の現状を変更し、緊張を高める一方的な試みについて深刻な懸念を表明。岸田首相は、新型コロナウイルスワクチン154万回分の追加供与なども発表した。

首相は会談後の共同記者発表で「東・南シナ海や北朝鮮、ミャンマーなど地域の課題について緊密な連携を確認した」と述べた。

共同声明では、インド太平洋地域をめぐり、法の支配に基づく自由で開かれた秩序の重要性を強調。防衛装備品・技術移転協定を踏まえ、艦艇など具体的な装備移転に向けた協議を加速することを歓迎した。

また、コロナ禍で脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになったサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化に向け、生産拠点の多元化などに取り組むことで一致。ベトナム人も対象になっている技能実習制度については「失踪、不法残留といった問題が起こっている」(岸田首相)として、両国が意思疎通や協力を強化する方針だ。

首相が10月の就任以来、国内で外国首脳と会談するのは初めてで、コロナ禍で停滞していた対面外交を本格化させた。