米、民主主義サミットに台湾招待 中国は反発

ホワイトハウスの外観(共同)
ホワイトハウスの外観(共同)

【ワシントン=渡辺浩生、北京=三塚聖平】バイデン米政権の主催で12月9、10日にオンライン形式で開催される「民主主義サミット」で、国務省は23日までに、約110カ国・地域の参加リストを発表した。中国やロシアなど権威主義国家は排除された一方で、中国からの軍事的圧力を受ける台湾の参加が明らかになった。台湾を自由と民主主義の価値を共有する重要パートナーと位置付け、国際機関への参加を後押しするバイデン政権の意向が強く反映された。

リストによれば、日本やオーストラリア、インドを含むインド太平洋、欧州の同盟・友邦諸国をはじめ、中国が経済・政治的な影響力を広げるアフリカや中南米などの途上国も目立つ。

中国の威圧と対峙(たいじ)する地政学的要衝にある台湾は、「民主主義と専制主義との戦い」(バイデン氏)の象徴的な存在として、中国の反発覚悟で招聘(しょうへい)を決めたとみられる。

国務省によると、民主主義サミットは①権威主義からの防御②汚職との闘い③人権の尊重―を目的に個々の行動や集団的な関与を協議し、約1年後に対面のサミットを招集する計画だ。

民主主義の守護者を自任するバイデン政権としてはサミットを通じ、新疆ウイグル自治区や香港で人権弾圧を続ける中国、ウクライナや欧州諸国に「ハイブリッド攻撃」を仕掛けるロシアに国際的な外交圧力を強めたいとみられる。

サミットには北大西洋条約機構(NATO)加盟のトルコ、米国と同盟関係にあるエジプト、欧州連合(EU)加盟のハンガリーなど、指導者が専制主義を強める有力国家も排除された。8月の米軍撤収後イスラム主義勢力タリバンが実質支配するアフガニスタンもリストにない。

一方、中国で台湾政策を主管する国務院(政府)台湾事務弁公室の朱鳳蓮(しゅ・ほうれん)報道官は24日の記者会見で、米国が台湾を民主主義サミットに招待したことに対し、米国と台湾が「いかなる形式の公的な往来を行うことにも断固反対する」と反発した。

朱氏は米側に対し、台湾は中国の不可分の一部であるとする「一つの中国」原則などの順守を求めた。