朝晴れエッセー

ゲーム好きの73歳母・11月24日

母は今年73歳。ゲーム好きである。

ゲームといっても、カードゲームなどではない。任天堂「スイッチ」で、ロールプレーイングゲームを楽しんでいるのだ。

若い頃の母は、「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」などをよくやっていたが、テレビの画面が見えにくい、と近年は遠ざかっていた。

そんなときに昨今のコロナ禍である。

外出もままならず、母は趣味の観劇や食事会もできなくなってしまった。毎日「怖い、怖い」と繰り返していた。

私は気分転換として、再びゲームをすることを母に勧めた。

スイッチという携帯ゲーム機は、実に画面が大きくきれいである。テレビが見えにくい73歳でもしっかり見えるようだ。ソフトのラインアップも充実。昔懐かしいゲームをリニューアルして発売してもいる。

母は、最初は「そんなんでけへん、分からん」と言っていたが、すぐに勘を取り戻し、色々なゲームをするようになった。母好みのゲームを探し、提供させていただくのが、最近の私の仕事となっている。

母の愚痴は、「コロナが怖い」から「ゲームのボス敵が倒されへん」に変わった。

「〇〇に出現する敵は、〇〇属性だから、〇〇の呪文を使って…」「ジョブは〇〇にして、スキルは〇〇にして、〇〇の武器を装備して…」

正直、娘の私にも何を言っているのか分からないことがある。しかし、母が楽しんでいるのならそれでよいと思う。

今の母の悩みは、同世代の人と趣味の話が合わないことらしい。

小林恵子 43 大阪府豊中市