石油備蓄放出、産油国は冷ややか 来月2日に対応協議

石油ポンプとOPECのロゴ(ロイター=共同)
石油ポンプとOPECのロゴ(ロイター=共同)

【カイロ=佐藤貴生】サウジアラビアなど石油輸出国機構(OPEC)加盟国およびロシアなど非加盟の産油国の連合体「OPECプラス」は、バイデン米政権による再三の増産要求にもかかわらず、大規模な増産を避けてきた。OPECプラスは新型コロナウイルス感染拡大による石油需要の急減を受け、昨年5月に協調減産を開始しており、世界経済が本格的に回復するかを見極める狙いがうかがえる。

OPECプラスは12月2日、閣僚級会合を開いて石油需給の見通しを協議するが、協調減産幅を毎月日量40万バレルずつ縮小する現在の枠組みに大きな変化はないとの見方が多い。欧州ではコロナ感染が拡大する気配をみせ、収束は見通せない。エネルギー需要が高まる冬場に入り、現在の高値を維持したい思惑があるとも指摘される。

ロイター通信は、OPECプラス当局者や専門家の間で、米中やインド、日本など消費国の石油備蓄放出は小規模にとどまったとの印象が広がっていると報じた。アラブ首長国連邦(UAE)のエネルギー相は、来年第1四半期は余剰供給になるとのデータがあるとし、「増産する道理はない」と述べた。

備蓄の協調放出は産油国に対する警告のメッセージであり、政治的緊張が高まる恐れがあるとの見方もある。英BBC放送(電子版)は、消費国の動きを受けてOPECプラスが生産を抑制するようなら、備蓄の協調放出は「裏目に出るかもしれない」という識者の見方を伝えた。