米南部で白人至上主義者に30億円の賠償命令

撤去されるリー将軍の銅像=米南部シャーロッツビル(AP=共同)
撤去されるリー将軍の銅像=米南部シャーロッツビル(AP=共同)

【ニューヨーク=平田雄介】米南部バージニア州シャーロッツビルで2017年夏、南北戦争の南軍総司令官だったリー将軍の像の撤去計画に抗議する白人至上主義者らによる集会が開かれ、人種差別反対派との衝突で死傷者が出た事件をめぐる民事訴訟で、シャーロッツビルの連邦地裁の陪審団は23日、集会の主催者らに計約2600万ドル(約30億円)の損害賠償を命じる評決を出した。

訴訟の原告9人は人種差別反対派による対抗デモの参加者で、衝突時に身体的・精神的苦痛を受けたとして治療費や慰謝料などを要求。対する被告側は反対派に襲われたため、自身の身を守るために反撃しただけだと主張していた。

陪審団は、暴行や殴打などのほか、州法が禁じる人種差別に基づく暴力行為があったとして被告側の法的責任を認めた。

事件は17年8月12日、白人至上主義者の男が運転する車が対抗デモに突っ込み、32歳の女性が死亡、30人以上が負傷した。原告のうち4人ははねられた負傷者。男は逮捕され、終身刑の判決を受けて服役している。衝突の発端となったリー将軍像は今年7月に撤去された。

事件の直後、当時のトランプ大統領は「(白人至上主義者と差別反対派の)どちらの側にも良い人がいる」と述べて白人至上主義を明確に非難せず、メディアなどから批判を浴びた。バイデン大統領はトランプ氏の発言に憤りを覚え、昨年の大統領選への立候補を決意したと述べている。