オリ杉本、待望のシリーズ1号も屈辱の幕切れ

【ヤクルト―オリックス】六回、右中間へ2ランを放つオリックスの杉本=11月23日、東京ドーム(長尾みなみ撮影)
【ヤクルト―オリックス】六回、右中間へ2ランを放つオリックスの杉本=11月23日、東京ドーム(長尾みなみ撮影)

歓喜と落胆、その両方を味わった。23日、東京ドームに舞台を移して行われた日本シリーズ第3戦。オリックスの杉本は六回に一時は同点に追いつく2ランを放ったが、九回はチャンスで最後の打者に。ヤクルトに4-5で敗れた後、「決めたかったか」という問いかけに「そうですね」と悔しさを押し殺すように話した。

1-3の六回無死二塁から、ヤクルト先発の小川が投じた高めのストレートを右翼席にシリーズ初アーチ。「力を抜くことだけを考えた。少し詰まっていたし、入るとは思わなかった」。軽く振ってもスタンドにたたきこむパ・リーグ本塁打王のパワーを見せつけた。

しかし、試合の幕切れに屈辱が待っていた。1点を追う九回2死三塁で、ヤクルトベンチは吉田正を申告敬遠で歩かせ、杉本との勝負を選択したのだ。怒りをはらんだ表情の打席。初球のストライクを見逃した2球目。ヤクルトの抑えマクガフの内角球に詰まり、ぼてぼての一ゴロに倒れた。

プロ6年目で覚醒した30歳。4番打者というチームの命運を託される存在となった。「ホームランが出たことはうれしいが、チームは勝てなかった」。自らの結果よりも、優先されるのはチームの勝敗なのだ。

敗れたとはいえ、杉本の本塁打に加え、3番の吉田正が2本の二塁打を放つなど、主軸に当たりが出たのは好材料。「切り替えて頑張るしかない。あした勝って(対戦成績を)タイにしたい」。背番号99は闘志を秘めて前を見据えた。 (鮫島敬三)