<独自>政府、邦人保護で態勢強化 アフガン教訓

首相官邸の外観=東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)
首相官邸の外観=東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

政府が緊急時の在外邦人保護に向けた態勢を強化したことが23日、分かった。海外でクーデターなどが発生した際に関係省庁連絡会議を開催し、現地情報の共有を図ることで迅速な対応を可能とする。8月にイスラム原理主義勢力タリバンが実権を掌握したアフガニスタンで、政府が国外退避の支援対象としたアフガン人約500人の保護が遅れたことなどを踏まえた措置。10月以降に緊急事態となったアフリカ北東部スーダンやアフリカ東部エチオピアでの邦人保護に適用されている。

複数の政府関係者によると、関係省庁連絡会議は10月25日にスーダンで軍民共同の統治評議会のブルハン議長が非常事態を宣言したことを受けて開催。内閣審議官をトップに外務省、防衛省、経済産業省、国土交通省、警察庁、公安調査庁などが集まり、第2回会合では今月2日に非常事態が宣言されたエチオピアも議題に追加された。

非常事態が宣言された当時、スーダンに在留する邦人は約100人で、エチオピアは約200人。すでに大部分が商用機で国外退避しており、残る邦人に関しては連日退避を呼びかけている。現地大使館を中心に情報収集に当たり、毎朝外務省幹部に報告され、関係省庁連絡会議でも共有されているという。

アフガンではチャーター機で邦人と大使館の現地職員やその家族ら約500人を国外退避させる計画をまとめた直後の8月15日に首都カブールが陥落した。国家安全保障会議(NSC)は同月23日に自衛隊機派遣を決定したが、空港周辺で発生した爆発などのため自衛隊機での国外退避は邦人1人とアフガン人14人にとどまった。

政府はスーダンやエチオピアで「アフガンの再来」が起きることを警戒。関係省庁の担当者レベルで情報共有を図ることで、自衛隊機派遣を含む緊急措置を迅速に取れる態勢を敷くこととした。昨年8月に西アフリカ・マリ、今年9月に西アフリカ・ギニアでクーデターが発生した際は関係省庁連絡会議は開催されていなかった。