速報

速報

日大の田中英寿理事長逮捕、脱税の疑い 東京地検

がん電話相談から

胆管がん疑い、確認とれず手術不能

Q 80歳女性です。胃の痛みを覚え、コンピューター断層撮影(CT)検査を受けたところ、胆管に異常があることが分かり、精密検査の結果、遠位胆管がんと診断されました。しかし、内視鏡的逆行性膵(すい)胆管造影(ERCP)検査による生検(患部の一部を切り取って調べる病理検査)では、がんは陰性となり、主治医からはがんが確認できないため手術はできないと言われました。こんなことがあるのでしょうか。

A 現状はがんの可能性は高いが、がん以外の病気(炎症などの良性疾患)の可能性もあるということです。現在、治療を受けているのは肝胆膵分野で実績のある病院ですが、ERCP下の生検でがんが証明される正診率は100%ではありません。

胃や大腸がんの場合は内視鏡を通して視認できるため、病変からの生検が確実にできます。これに対しERCPを使った胆管の検査は、レントゲンで病変の影を見ながら生検するため病変部ではないところに当たる可能性があります。

Q 生検を何度か繰り返せば成功するのではないでしょうか。

A 胃カメラや大腸カメラと違いERCPは気軽にできる検査ではありません。というのも、胆管の出口と膵管の出口は接しており、検査後に膵臓が炎症を起こし、重症化する可能性があるからです。生検を繰り返したときに合併症を起こすリスクを理解した上で検査を受けましょう。

Q 確証を得られないと手術はできないのですか。

A 胆管と同様に、膵臓や肝臓も内視鏡で病変を直視し生検することができません。ですので、こういった肝胆膵がんはCT検査や磁気共鳴画像装置(MRI)検査、陽電子放出断層撮影(PET)検査などでがんを疑った場合は、生検を行わず手術を行うことはあります。

今回のケースでも遠位側胆管が狭くなっている所見があるということなので、がんと判断し手術を実施してもおかしくありませんし、生検結果ががんと出なくても手術すべきだと判断する病院はあるとは思います。

Q 手術は可能なんですね。

A ただ、手術を受けるかどうかは慎重に判断する必要があります。胆管は膵臓と十二指腸と一体になっている部位であり、遠位側胆管がんの標準手術はそれらを含め取り除く「膵頭十二指腸切除」という手術になります。手術による体への負担は大きく、合併症が起こると生死にかかわることもある大手術の一つです。患者さんは80歳とご高齢でもあり、がんではなかったのに手術で合併症を起こしてしまったということは医療者からすると避けたい事態です。がんの可能性は十分にあります。手術のメリット、デメリットをきちんと理解して手術に臨んでいただきたいと思います。

Q このまま手術をしないでいると、がんが進行しないか心配です。

A 1~2カ月で急に大きくなるがんではないので、もう少し様子を見てもよいと思います。主治医と相談し、体への負担が小さい超音波内視鏡(EUS)やPETなどの検査を追加するのがよいでしょう。

回答は、がん研有明病院の肝胆膵外科部長、高橋祐医師が担当しました。

がん研有明病院の高橋祐医師(佐藤徳昭撮影)
がん研有明病院の高橋祐医師(佐藤徳昭撮影)

「がん電話相談」(がん研究会、アフラック、産経新聞社の協力)は毎週月曜日から木曜日(祝日除く)の午前11時~午後3時に受け付けます。03・5531・0110、無料。相談は在宅勤務でカウンセラーが受け付けます。相談内容を医師が検討し、産経紙面やデジタル版に匿名で掲載されることがあります。個人情報は厳守します。