TOB進む公算も「物言う株主」カギ 新生銀

新生銀行の本店が入るビル=9月、東京都中央区
新生銀行の本店が入るビル=9月、東京都中央区

SBIホールディングスが実施している新生銀行への株式公開買い付け(TOB)を巡り、政府が新生銀の買収防衛策に反対する方向で検討を始めた。25日の臨時株主総会では防衛策否決の公算が大きく、SBIはTOBを継続することになる。ただ、一定の新生銀株を持つ物言う株主(アクティビスト)がTOBに応じるか分からず、新生銀の大株主として存在感を持ち続け、SBIの経営戦略に立ちはだかる可能性もある。

SBIが新生銀へのTOBを始めたのは9月10日。買い付け価格は1株当たり2000円だ。新生銀の株価は今月22日の終値で1894円となっている。

SBIは保有比率を現在の約2割から最大48%まで高め、新生銀を連結子会社化する計画。新生銀の買収防衛策が否決されたり取り下げられたすれば、SBIの計画は現実味を増す。

問題となる可能性があるのはアクティビストの存在だ。

今月12日には、投資家の村上世彰氏が関わる投資会社シティインデックスイレブンス(東京)と村上氏の親族が、計5・29%の新生銀株を保有していることが判明。大量保有報告書では、保有目的を「投資および状況に応じて経営陣への助言、重要提案を行う」としている。

さらに16日には、シティが新生銀株を買い進め、保有比率が6・30%まで高まったことが分かった。シティ以外にも、海外の投資ファンドが新生銀株を保有しているとされる。

不透明なのは、これらアクティビストがTOBに応じるかどうかだ。SBIが示す1株当たり2000円より高い株価での買い取りを求めるなどする可能性があり、SBIが認めなければ、アクティビストはTOBに応じないことになる。

こうなれば、SBIの保有比率は目指す「48%」を大きく下回り、アクティビストが新生銀の大株主として発言力を持ち続けることになる。人事面での施策や地方銀行と連携した収益力強化など、SBIの描く成長戦略は思い通りに進まなくなる懸念がある。