関西スーパーマーケットとエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループとの経営統合をめぐり、首都圏地盤のスーパー、オーケー(横浜市)が統合手続きの差し止めを求めた仮処分申請で、神戸地裁は22日、差し止めを認める決定をした。関西スーパーは異議を申し立てる方針。一方、オーケーは最終的な司法判断を踏まえ、関西スーパーに再び株式公開買い付け(TOB)を提案する方針を示している。
統合を決めた10月29日の関西スーパーの臨時株主総会での集計作業に疑義があるとして、オーケーが統合差し止めを求める仮処分を申請していた。決定を受け、オーケーは「司法の良識ある判断が示されたものと受け止めている」とコメントした。関西スーパーとH2Oが12月1日に予定していた統合手続きはいったん差し止めとなった。関西スーパー側は「主張が認められず、誠に遺憾」として保全異議を申し立てる方針を発表した。
臨時株主総会では統合案が僅差で可決された。その際、もともと賛成の委任状を出していたた株主企業を代表して出席した男性が、いったんは「棄権」を意味する白票を投じたが、その後の確認作業で関西スーパーが「賛成」に変えて集計したことが適切だったかが争点となっていた。神戸地裁は「決議の方法に法令違反または著しい不公正がある」などと指摘して手続き差し止めを認めた。
決定について、企業法務に詳しい牛島信弁護士は「議場閉鎖の解除後に議決権行使の内容を変えてはならないという判断だ。今後の株主総会での集計作業など実務に影響があるのではないか」と話している。