今村裕の一筆両断

不登校対策「生徒指導」専門の教師育成が要

今村裕氏
今村裕氏

文部科学省が10月13日に発表した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査(令和2年度)」によると、小中学校の不登校児童生徒数が19万6127人に上り、8年連続の増加で過去最多となりました。産経新聞でも同19日の主張で「不登校最多 学校の魅力を取り戻そう」と題した社説を載せました。他の新聞も同様にさまざまな形式で当該調査へのコメントを載せています。

11月2日には末松信介文科相が閣議後会見で「不登校児童生徒への支援については、スクールカウンセラーの拡充など、教育の相談体制の充実に取り組んできたが、授業のあり方の改善も急務と思う。制度の問題もあるが、現場で対応できることもたくさんあると思う」と述べ、加えて学校制度見直しの必要性については「あらゆる観点から常に考えていくことが大事。今はそこまでしか申し上げることができない」と話し、やや歯切れが悪いと筆者は感じました。

つまり、文科省はいろいろな事業に取り組んできたが「もっと学校の教師にできることがあるのではないか」と言っているようです。文科省が若い教員を増やそうと意図した「#教師のバトン」がそれに反して炎上し、教師の働き方改革が問題視されている中、どうしたら働きやすく、子供たちにとってよりよい学校になっていくのか-。

現在「不登校」と呼ばれている現象は「学校恐怖症」→「登校拒否症」→「登校拒否」→「登校拒否(不登校)」→「不登校(登校拒否)」→「不登校」と名称が変化してきました。その間、子供の神経症レベルの理解から学校内の問題、それが教育全体の問題、そして社会問題へと視点が変化し、不登校状態を判断する線引きも変化、それに伴い社会的に認知されることも相まって数も増加し、「学校に行かない状態」を表す用語へと変化してきました。

支援も、病院やカウンセリングセンター、公的な教育相談機関、適応指導教室(教育支援センター)、フリースクールでの対応から、スクールカウンセラー導入、スクールソーシャルワーカー導入、不登校特例校の設置などと、その方法は幅を広げ一定の効果を上げてきました。また近頃の武漢コロナウイルス禍のなかで、2年度に特徴的な新しい状況として長期欠席の中に武漢コロナウイルス感染回避の休みも不登校とは別に含まれています。

児童生徒の細やかな変化に敏感に教師が気づき、病院、相談機関と連携を取り、支援することも多くあります。夜の家庭訪問も当たり前の教師の仕事です。そうした教師の尽力には頭が下がりますが、称賛してばかりでは疑問です。まるで教師をスーパーマン、スーパーウーマンみたいに捉えることは、普通の人では勤まらないのが教師の仕事ということになります。