カメラマン日記

燃え盛る紅葉 期待したけれど… 「秋」探しにドライブ

落葉が進む御射鹿池(みしゃかいけ) =12日午前、長野県茅野市(鴨志田拓海撮影)
落葉が進む御射鹿池(みしゃかいけ) =12日午前、長野県茅野市(鴨志田拓海撮影)

総選挙の取材で忙しかった10月はあっという間だった。連休がとれた今月11日、私は秋を楽しみ、紅葉を撮影するため、マイカーで一路、都内の自宅から群馬県を目指した。

高速道路は使わず下道をひた走った。夕刻、ネギで有名な群馬県下仁田町を過ぎ、長野県境の内山峠に差し掛かる。少し北にある碓氷峠と比べると知名度は低いが、眺望では負けていない。20分ほど峠道を走ると、赤く色づく山々が見えた。私にとって今シーズン、初めての紅葉だ。

内山峠から見た、色づく山々 =11日午後、群馬県下仁田町(鴨志田拓海撮影)
内山峠から見た、色づく山々 =11日午後、群馬県下仁田町(鴨志田拓海撮影)

ギザギザとした山々を夕日が赤く照らし紅葉を一層際立たせた。長野県側の紅葉の色づき具合も良く、期待を抱き佐久市で1日を終えた。

翌12日、強烈な日差しで目が覚めた。山には雲がかかっていて、安心はできない。佐久市を抜け佐久穂町に差し掛かると本格的に葉が色づいており高揚した。

今回のドライブで唯一、撮影したかった場所がある。標高1500メートルの山の中にある「御坂鹿池」(茅野市)だ。水面に山々の風景が逆さに映り込み幻想的な光景が広がるという。東山魁夷の名画や女優の吉永小百合さんが出演した家電メーカーのCMのロケ地としてしられ、人気の観光スポットになっている。

色づく紅葉と山々 =12日午前、長野県佐久穂町(鴨志田拓海撮影)
色づく紅葉と山々 =12日午前、長野県佐久穂町(鴨志田拓海撮影)

山を上るに連れ、天気は不安定になり、路肩は雪でうっすら白くなっていた。茅野市に入り山を下ると、天気は回復したが不安はぬぐえなかった。そしてやっと池が見えたが…。この瞬間決着はついた。紅葉のピークは過ぎ、既に色が落ちてしまった御坂鹿池だった。

今回の撮影はプライベート。事前に下調べをすべきだ、といえばそれでは味気ない。「取材だったら、デスクから大目玉を食らったかも」…。燃え盛る紅葉を頭の中に描いていた私は苦笑いするしかなかった。肌寒い風が池の水面を揺らしていた。観光客もいたが早々に撤退した。

色づく紅葉と山々 =12日午前、長野県佐久穂町(鴨志田拓海撮影)
色づく紅葉と山々 =12日午前、長野県佐久穂町(鴨志田拓海撮影)

平地に戻ると晴天のもと素晴らしい紅葉と雪化粧をまとう山々が見えた。きれいなことには変わりないが素直に喜ぶことはできなかった。

せっかくここまで来たのだから、「茅野市尖石縄文考古館」で、国宝の「縄文のビーナス」を見に行った。今から約4000年から5000年前に作られた土偶だ。期待外れだった池の紅葉が頭から離れず、私にはビーナスがほほ笑んでるようには見えなかった。

色づく紅葉と雪を纏う山々 =12日午後、長野県茅野市(鴨志田拓海撮影)
色づく紅葉と雪を纏う山々 =12日午後、長野県茅野市(鴨志田拓海撮影)

国道20号を南下、山梨県の北西部に位置する北杜市に入ると目の前に大きな山が見えた。富士山だ。晴天の空のもと、鎮座する富士は圧巻だった。残念な気持ちも吹き飛び、気分は大いに晴れ、私は秋晴れの甲州路をあとにした。(写真報道局 鴨志田拓海)

色づく紅葉と雪を纏う山々 =12日午後、長野県茅野市(鴨志田拓海撮影)
色づく紅葉と雪を纏う山々 =12日午後、長野県茅野市(鴨志田拓海撮影)
国道20号沿いから見た富士山 =12日午後、山梨県北杜市(鴨志田拓海撮影)
国道20号沿いから見た富士山 =12日午後、山梨県北杜市(鴨志田拓海撮影)