国際オリンピック委員会(IOC)は21日、中国の元副首相に性的関係を強要されたと訴えた同国の女子テニス選手、彭帥さんの安否が懸念される問題で、バッハ会長が同選手と30分間にわたりテレビ電話で通話し、無事を確認したと発表した。「北京の自宅で安全かつ元気にしているが、今はプライバシーを尊重してほしい、と彼女は説明した」と疑念の打ち消しに努めた。
来年2月の北京冬季五輪の開催に響きかねないと判断した中国当局がIOCと連携して事態の収拾に乗り出した。ただ詳細な経緯は不明で、国際社会が納得するかは不透明だ。
五輪開幕前の1月に現地入りするバッハ氏は、彭帥さんを北京での夕食に招待し、快諾を得たという。IOCは、バッハ氏と笑顔で通話する様子を収めた写真とともに「彼女は今は友人や家族と過ごすことを望んでいる。しかし大好きなテニスには関わっていく」と強調した。バッハ氏の談話は出さなかった。(共同)