今回の衆院選では、新旧の世代交代が話題となった。有権者としては、新しい時代の到来を期待したいところであった。
「政治改革」を訴えた候補者は数多(あまた)いた。だが、それは改めて政治不信を深める契機となった。各党の選挙公約といえば、現状の日本をどのように改革したらよいのか、そのビジョンは示されることなく、一時給付金の支給を公約の目玉としていたからだ。
日本の政党はいつから宗教団体になったのだろうか。投票を前にしての給付金の公約は、信者を勧誘するための慈善事業と何ら変わりがない。それに給付金といっても、その原資は国民から徴収する税金である。これでは「朝三暮四」と同じで、日本国民も随分と馬鹿(ばか)にされたものだ。