「批判」も覚悟、懸案解決へ 人口減に危機感、6期目も視野 宮城・村井嘉浩知事インタビュー

5期目の県政運営について意気込みを語る宮城県の村井嘉浩知事=県庁(石崎慶一撮影)
5期目の県政運営について意気込みを語る宮城県の村井嘉浩知事=県庁(石崎慶一撮影)

21日に5期目に入った宮城県の村井嘉浩知事が、産経新聞のインタビューに応じた。人口減少や仙台医療圏4病院の再編、東北電力女川原発の再稼働などを課題として挙げた上で「5期目で終わらなければ、6期目ということになるかもしれない」と述べ、6期目も視野に懸案の解決に取り組む考えを明らかにした。

人口減少について「今後25年間で20%も減少する見込みだ」と危機感を示した。その上で、雇用を拡大するためベンチャー企業を立ち上げやすくする仕組みや、外国人が就労しやすい環境、子育てをしやすくする制度を拡大していく考えを強調した。

また、4病院の再編では移転先を名取、富谷両市に移転すると知事選の公約に明記した。「県がどういう考えなのか県民に理解してもらえた」とする一方、仙台市側の反論に関しては疑問を呈した。

村井知事との主なやりとりは次の通り。(大柳聡庸)

--5期目の課題は山積している

「知事になったときは財政が厳しく、職員の給与もカットしなくてはならない状況だった。課題も先送りされ、残っていた。5期なのか6期目後なのか分からないが、次の人にいい形でバトンタッチしたい。そういう思いから選挙でもあえて、4病院の再編など批判を受けるようなことを言った。運営権を一括して民間企業に売却する上下水道問題や、東北電力女川原発の再稼働などほかにも課題は山積している。まずは5期目にやるべきことを強引だといわれてもしっかりやる。5期で終わらなければ、6期目になるかもしれない」

--多選批判もある

「今回、立候補をやめる選択肢もあったし、自分でも考えた。しかし、もし次の人に代わって、今までやってきたことがオセロのようにひっくり返ってしまうと台無しになってしまうので、私が続けたほうがいいと思った。何期やるかよりも、何をやってきたかが重要だ。気力と体力が充実していて、やるべきことがあり、それをやるだけの能力があれば、何期やっても、いいと思っている」

--一部の反対を押し切って、東京五輪のサッカーの試合を有観客にした

「間違っていなかった。クラスター(感染者集団)が発生して宮城県が大変な状況になっていたら大失政だが、(徹底した対策で)新型コロナの患者は出なかった。大成功で、やってよかった」

--人口減少問題を繰り返し訴えている

「230万人の人口が25年間で50万人減って、180万人になる見込みだ。税収もその分、減る。一方、高齢者は今後20年間で1割以上増える。社会保障費が右肩上がりで増え続ける。小さな行政体にして余裕を持たせ、社会保障費に充てていくしかないと思う。リスクを予見して、早め早めに手を打っていく。それがリーダーだと思う」

--前回の知事選に比べ得票を約14万票減らした。4病院再編の方針が影響したのでは

「大票田の仙台市太白区と同市青葉区の病院を移すので、票が減ることは分かっていた。選挙が終わってから、具体的に名取、富谷両市に移す案を打ち出すほうがいいという意見もあったが、それはずるいし嫌だった。まだ決まっていないが、私の広域医療の考えを県民に理解してもらい、よかったと思う」

--病院再編をめぐり、仙台市の郡和子市長は「開かれた議論」が必要だと批判した

「他の病院にも関与しているなら別だが、今回の病院にだけ仙台市がコミットすることは筋が通らないと思う。郡市長の批判は少し釈然としない」

--新型コロナウイルス感染の第6波の懸念もある

「東京都を加えて政令指定都市を持つ都道府県は16あるが、(第5波では)宮城は新型コロナを罹患した人の死亡率が一番低い。仮に第6波がきても、これまで学習した基本的な対応は間違っていない。患者が再び増えてきたら、関係各所と調整し病床や(療養する)ホテルを一気に確保する」

--長期的な経済対策にも取り組んでいる

「1期目から人口減少をベースに取り組んできた。宮城県は第3次産業が中心だが、これは人口が増えていたので成り立つことだ。このため産業構造を変えていく。企業誘致などで第2次産業の比重を高め、バランスを取る。新しい工業団地も検討している。また、モノづくりだけでなく、新しい産業も興していかないといけない。ベンチャー企業を立ち上げやすくしたり、外国人が就労しやすい環境をつくっていく」

--将来、国会議員に転身する考えはないか

「私は自衛官出身なので安全保障から政治に関心を持ったのが原点だ。ただ、現時点で国政への関心は全くない」