点滴連続中毒死事件 被告の元看護師に「無期懲役」判決の衝撃

「命軽んじられている」

最高裁が死刑選択の判断基準として示した「永山基準」は、犯行の動機や態様などのほか「特に殺害された被害者数」と言及している。東京弁護士会犯罪被害者支援委員会の前委員長で、岡村綜合法律事務所(東京都千代田区)の米田龍玄弁護士は「いかんともしがたい本人の事情があったにせよ、3人を殺害して死刑が回避されてよいことにはならないはずだ」と指摘し、こう続ける。

「あまりにも人の命が軽んじられてはいないだろうか。今回の判決がリーディングケース(主要な判例)にはならないはずだし、なってしまってはならない」

久保木被告は公判で3人に対する殺人の罪などに問われたが、旧大口病院では事件発覚の約3カ月前から、入院患者約50人が次々に死亡。公判の中で検察側から、起訴された事件の前に点滴に消毒液を混ぜたことがあるかを問われ、久保木被告は回答を拒んでいる。異例の無期懲役判決の波紋は、広がり続けているようだ。(宇都木渉)