カラフルにミニトマト進化 フルーツ並みの糖度も

およそ10品種を栽培している井出トマト農園。井出寿利代表が丹精を込める=神奈川県藤沢市(寺河内美奈撮影)
およそ10品種を栽培している井出トマト農園。井出寿利代表が丹精を込める=神奈川県藤沢市(寺河内美奈撮影)

スーパーの野菜売り場で充実ぶりが目覚ましいのがミニトマトのコーナー。色や形もさまざまで、選ぶのに迷ってしまう人も多いのでは。日本でのミニトマトの歴史は浅く、昭和50年ごろ、種苗メーカー「タキイ種苗」が「プチトマト」の名称で発売、ヒットしたのをきっかけに全国に広まったとされる。近年は糖度が高い品種が増え、フルーツのように楽しむ人も増えている。ミニトマトの最前線に迫ろうと、農園を訪ねた。(本江希望)


神奈川県藤沢市にある「井出トマト農園」は、昭和5年から続くトマト農園。現在は3代目の井出寿利(ひさとし)代表(41)のもと、IT技術を活用した減農薬のトマト栽培を行っている。

大きなハウスの中に入ると、ブドウのように実を連ねたミニトマトが、緑から赤へと色づき、花粉を運ぶ「マルハナバチ」がふわふわと飛んでいた。

井出さんが選んで、もぎとってくれた赤いミニトマトをほおばると、甘さとジューシーさに思わず顔がほころんだ。「ハニードロップ」というオリジナル品種で、糖度は10度ほど。その数値はイチゴに匹敵するくらいだ。

農園では土を使わず、肥料を水に溶かした培養液で栽培する「養液栽培」でトマトを生産。糖度を上げるため、品種選びだけでなく栽培も工夫する。「液肥の濃度を上げて水分吸収を妨げることで、糖度が上がります。ただ、そうやっていじめて育てたトマトほど、果肉がかたくなってしまう」と、バランスが重要だと教えてくれた。

農業大国のオランダを視察し、生産技術や経営を学んだ井出さんは、温度や湿度、二酸化炭素濃度などを管理するシステムをいち早く導入。「子供たちにも安心して食べてもらいたい」との思いから、虫や病気を寄せ付けない効果のある漢方を使うなど、減農薬のトマト作りも行っている。

個性豊か、栄養価も高い

農園ではオリジナル品種を含めて約10種類のミニトマトを生産。さわやかな甘みと酸味が印象的な緑色の「サングリーン」や、ブドウのような色や食感が楽しめる「トスカーナバイオレット」など、個性豊かなミニトマトが併設された直売所や通信販売で販売されている。今月27日からは毎年人気の「トマト狩り」がスタート。約10種類のトマトやミニトマトを食べ放題(大人1300円、要予約)で味わい尽くすことができる。

ミニトマトはトマトよりも栄養価が高く、抗酸化作用のあるリコピンや皮膚や粘膜を健康に保つβカロテンなどの栄養素が詰まっているのもうれしい。さまざまなミニトマトの中からお気に入りを見つけてみては。