感染第6波へ「備え緩めないで」 大阪府健康医療部長、抗体カクテル療法整備急ぐ

新型コロナ「第6波」への備えについて話す藤井睦子・大阪府健康医療部長=大阪府庁(南雲都撮影)
新型コロナ「第6波」への備えについて話す藤井睦子・大阪府健康医療部長=大阪府庁(南雲都撮影)

大阪府が新型コロナウイルスの感染「第6波」への備えを進めている。第5波の経験を踏まえ、確保病床を600床以上積み増す計画で、初期治療体制も強化。感染対策を指揮する藤井睦子健康医療部長は「想定を超える事態は起きる。備えを緩めてはいけない」と警戒する。

政府は第6波に向け、第5波で入院が必要になった患者の3割増にあたる約3万7千人が入院できる体制を構築する方針。第5波での府内の最大入院患者数は2628人で、3割増なら3416人となる。

府は、第6波での1日当たりの最大新規感染者数が第5波(3004人)を上回る3833人に達すると試算。確保病床の目標数を3710床(重症610床、軽症・中等症3100床)とした。7月に定めた3080床から630床上積みする計算で、今月21日時点で3595床(重症606床、軽症・中等症2989床)を確保している。

藤井部長は「すでに政府の基準はほぼ達成しているが、感染拡大と想定外のリスクを踏まえて第6波に備えるべきだ」と述べた。

対策の柱の一つが初期治療体制の強化。重症化を防ぐ抗体カクテル療法を身近な医療機関などで受けられるよう環境の整備を急ぐ。府によると、19日までに243医療機関が外来診療で実施でき、86医療機関が往診時の投与に対応している。藤井部長は、発症後3、4日以内に投与すると効果が高いとの報告があるとして、患者を抗体カクテル療法に「スムーズにつなげなくてはいけない」と強調する。

課題は、保健所機能の維持だ。感染拡大時に業務が逼迫(ひっぱく)しがちで、今春の第4波で保健所から感染者への最初の連絡に最長で10日かかり、医療を受けられないまま亡くなる自宅療養者が相次いだ。第5波でも最長4日が経過した。

「保健所の最初のアプローチが目詰まりしている間に治療が遅れ、重症化する悪循環が起きてしまう」と藤井部長。こうした反省を踏まえ、府は今月5日から24時間対応の電話窓口「自宅待機SOS」を開設。陽性判明後、保健所から連絡がない場合、オペレーターが宿泊療養施設の入所手続きを行ったり、外来診療する医療機関を紹介したりする。

藤井部長は「第5波は第4波より対応力が上がり、重症化率、致死率ともに下げることができた。今後も感染拡大を防止し、確実に患者を医療につなげるための体制を検討する必要がある」と語った。

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