児童書

『よあけ』あべ弘士作

短い秋を迎えたシベリア。原生林の間を縫うように流れる川を、猟師のじいさんと子供を乗せた小舟が進む。日が落ちるとじいさんは岸辺でたき火をおこし、森の動物の不思議な話を聞かせてくれた。そして夜明け。舟をこぎ出すと一面を覆っていた深い霧が晴れ、山の端から差し込む陽光が視界全てを黄金色で染め上げた…。

夜の森の深い青、徐々に薄まる乳白色の朝もや、赤と黄色で表現された鮮烈な陽光など、場面ごとの色調変化が見事。作者は元旭山動物園飼育係で、動物描写も光る。(偕成社・1650円)