古代エジプト展名品紹介(5)

3000年前の色、鮮やかに

11月20日から兵庫県立美術館で「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」(産経新聞社など主催)が始まります。展示品から、えりすぐった品々を5回にわたり紹介。最終回は「パマアエフの碑」です。

パマアエフの碑

パマアエフの碑 第3中間期、第22王朝(前943-746年頃)高さ28.0 幅23.5 厚さ3.1センチ
Image©Rijksmuseum van Oudheden(Leiden, the Netherlands)
パマアエフの碑 第3中間期、第22王朝(前943-746年頃)高さ28.0 幅23.5 厚さ3.1センチ Image©Rijksmuseum van Oudheden(Leiden, the Netherlands)

あの世は怖いものであるという考えは、人間にとって古今東西、変わらないもののようである。

このパマアエフの碑は第3中間期に描かれたもの。碑とはいいながら、実体は木に絵の具で彩色されたものだが、赤や緑、青などの色は、3000年近くも前とは思えないほど、きれいに残っている。

この頃、エジプトは増大する経済問題に悩まされ、リビア人などの侵入もあって、ふたつに割れてしまっていた。そうした政情不安は、人々の心にも影を落としたにちがいない。

この絵に描かれている右の人物がパマアエフ。左にすわっているのはラー・ホルアクティ神。太陽神であるラーと天空の神であるホルス神が結び付いた、ハヤブサの頭を持つ、王の守護神である。

ちょうどその間のテーブルに載っているのは、パマアエフからの神への供物。まるでご機嫌を取るかのように、酒まで注いでいるパマアエフは、この世で神様に貢いだ見返りに、死後の世界で食料にありつこうという魂胆なのである。(正木利和)=終わり

「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」(兵庫県立美術館=産経新聞社など主催)は11月20日に開幕、来年2月27日まで。