近畿日本鉄道は20日、車内で軽食を提供した時期があることから「スナックカー」の愛称で親しまれた特急車両12200系のラストラン出発式を大阪上本町駅(大阪市)で行った。
ラストランは大阪上本町―賢島(三重県志摩市)間と名古屋―賢島間の1往復ずつ。団体用や観光特急車両として活用される一部を除き、終了後に廃車される。
近鉄によると、スナックカーは1969年にデビュー。今年2月に定期運行を終了するまで、名古屋や大阪に出張するビジネス客らを運んだ。競合する東海道新幹線に対抗し、リクライニングシートや洋式トイレなどを備えた快適性を売りにした。
快適性を追求したコンセプトは昨年デビューの名阪間の特急「ひのとり」として走る80000系に引き継がれている。
ラストラン乗車ツアーに参加した三重県鈴鹿市の松村武士(たけし)さん(52)は「12200系は同い年の車両。新しい特急が増えた最近は、古いこの車両にあたるとがっかりすることもあったが、いよいよ引退なので寂しい」と話した。